LITEONはどんな会社? AI向け電源が伸びる電子部品メーカー

細いサテン仕上げの金属帯が、白に近い背景で緩やかな弧を描く概念画像。
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「AI向けの電源が伸びている会社」と聞くと、サーバーの部品だけを作っているように思えるかもしれません。台湾のLITEON(光寶科技)は、もっと幅の広い会社です。データセンター向けの電源に加え、パソコンやゲーム機器などの電源、光を使う電子部品、自動車向けの電子機器も手がけています。いま目立つAI関連の成長が、会社全体のどこに位置するのか。事業と現金の動きから見ていきます。[1]

簡単にまとめると?

  • 電源や光半導体、車載機器を扱い、2026年上期にはクラウド関連事業が売上の半分を超えました。
  • AI向け設備を広げていますが、出荷済みの電源製品と、認証や液冷企業への出資の計画は区別が必要です。
  • 2026年上期は純利益を確保した一方、在庫などに資金を使い、営業キャッシュフローはマイナスでした。

売上の半分を超えたクラウド向け事業

LITEONの開示上の事業は三つです。「Cloud & AIoT」はデータセンター、サーバー、ネットワーク機器などに使う製品。「IT & Consumer Electronics」はパソコン、タブレット、ゲーム機器などに使う製品。「Opto-electronics」は光を利用する半導体部品、車載電子機器、道路設備などを含みます。用途や顧客は重なりますが、会社はこの区分で売上を示しています。[1]

2026年1〜6月の事業別売上売上高全社に占める割合前年同期比
Cloud & AIoT約518億台湾ドル約54%約60%増
IT & Consumer Electronics約290億台湾ドル約30%約3%減
Opto-electronics約153億台湾ドル約16%約6%増

単位は台湾ドル。割合と増減率は、会社の連結財務諸表にある外部顧客向け売上からcyclewaveが計算した概数です。[1]

2022年上期には、Cloud & AIoTの構成比は32%でした。それが2026年上期には54%へ上がっています。電源の技術をAIデータセンターにも広げた結果、会社の重心が移ってきたことが分かります。一方で、売上の約46%はそれ以外の事業です。AI向け電源だけでLITEONの業績を説明し切ることはできません。[2]

利益率は改善。四半期の追い風には時期のずれも

2026年4〜6月の連結売上高は約527億台湾ドルで、前年同期の約404億台湾ドルから約30%増えました。営業利益は約82億台湾ドルで、前年同期の約37億台湾ドルから大きく伸びています。売上に対する営業利益の割合も、約9.2%から約15.6%へ上がりました。販売量に加えて、利益を残しやすい製品の構成が効いています。[1][3]

ただし、会社は第2四半期の好調さについて、AIデータセンター向け需要だけでなく、第1四半期から持ち越された高性能製品の出荷も理由に挙げています。この四半期の勢いを、そのまま毎四半期に当てはめるのは早そうです。2026年1〜6月の売上は約961億台湾ドル、営業利益は約123億台湾ドル。少し長い期間でも成長を確かめながら、出荷時期の影響を分けて読むのがよさそうです。[1][3]

8月の月次売上は約196億台湾ドルで、前年同月比25%増でした。1〜8月累計は約1,347億台湾ドル、前年同期比27%増です。月次は伸びを追う手がかりになりますが、利益や現金の動きまでは分かりません。[4]

利益が伸びても、現金はまだ同じ速さで増えていない

2026年1〜6月の純利益は約109億台湾ドルでした。その一方、営業活動によるキャッシュフローは約42億台湾ドルのマイナスです。前年同期は約41億台湾ドルのプラスでした。利益と、実際に手元へ入る現金には差が出ています。[1]

大きいのは在庫です。同期間のキャッシュフロー計算書では、在庫の増加が約207億台湾ドル、売掛金の増加が約76億台湾ドルの資金を使う要因になりました。買掛金の増加は約123億台湾ドルの資金流入要因です。期末の在庫残高も、2025年末の約343億台湾ドルから2026年6月末には約551億台湾ドルへ増えています。成長に備えた調達も考えられますが、積み上がった在庫が出荷され、売掛金が回収されるかは次の決算で見たいところです。[1]

手元の現金・現金同等物は6月末に約752億台湾ドルあります。同時に、短期借入金は2025年末の約200億台湾ドルから約314億台湾ドルへ増えました。資金が尽きかけているという話ではありません。ただ、需要拡大のための投資と運転資金を、どのくらい自社の現金創出で支えられるかが今後の見どころです。[1]

電源から冷却まで広げる計画。その実行が次の焦点

会社は2026年の設備投資計画を130億から180億台湾ドルに引き上げました。米テキサス州には9億1,900万米ドルの製造・開発拠点投資を発表しています。高密度のAIサーバーへ電気を届ける電源棚や電源ラック、バックアップ電池などを、より大きな設備として提供する方向です。[2][3]

その中でも、110kWの電源棚は出荷段階にある一方、800V直流の電源ラックは2026年後半に認証を終える計画です。すでに出荷している製品と、これから確認を終える製品は分けて見る必要があります。 また9月には、液冷システムを手がけるポーランドのDCXへの約25%出資計画も発表しました。発表時点では取引完了が前提に残り、液冷の売上がすでにLITEONの連結業績へ加わったことを示すものではありません。[2][3][5]

電源の製品群に、冷却や現地製造を組み合わせられれば、顧客がまとめて相談できる領域は広がります。一方で、投資の拡大には設備の立ち上げ、製品の認証、量産と納品を予定どおり進める負担もあります。Cloud & AIoTが売上の半分を超えたいま、その成長が利益だけでなく現金にもつながるか。そこがLITEONを追ううえで大切な視点だと思います。

LITEON(光寶科技)株の取扱いを確認する

LITEON(光寶科技)の株式はTWSE:2301、取引通貨は新台湾ドル(TWD)です。2026年10月27日に日本の証券会社の公開情報を比較しましたが、この銘柄の現物株を新規に買い付けられる窓口は確定していません。

  • SBI証券:外国株式の公開案内で台湾現物株のサービスを確認できませんでした。
  • 楽天証券:台湾株式の取引開始は2026年12月7日以降の予定です。現在の買付先ではなく、開始時期・対象銘柄の確認が必要です。
  • アイザワ証券:台湾株を扱っています。2026年8月7日基準の公開一覧では、2301の掲載を確認できませんでした。未掲載銘柄も取扱いを相談できると案内しています。

問い合わせる際は「LITEON(光寶科技)/TWSE/2301の現物株」と伝え、新規買付の可否、取引単位、注文方法、手数料・為替費用を確認してください。

上記は取扱いを確認する窓口です。LITEON(光寶科技)の現物株を購入できることは未確認です(2026年10月27日)。市場への対応と個別銘柄の受付は別です。株価・為替の変動で損失が生じる場合があります。

株価の確認先

LITEON(台湾証券取引所:2301)の株価推移は、台湾証券取引所の銘柄ページで確認できます。表示通貨は新台湾ドル(TWD)です。表示期間と更新日時を確かめ、注文時の価格とは分けてご覧ください。

参考資料

2026年9月23日確認。金額は特に断りのない限り台湾ドルです。

[1]LITEON:2026年第2四半期連結財務諸表(2026年6月30日まで。連結貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー、事業別売上)。

[2]LITEON:2026年第2四半期投資家説明資料(事業構成の推移、設備投資、製品計画)。

[3]LITEON:2026年第2四半期決算発表(2026年7月31日。四半期実績、出荷時期の影響、製品・投資計画)。

[4]LITEON:2026年8月の月次売上(2026年9月9日)。

[5]LITEON:DCXへの戦略的出資発表(2026年9月3日。出資は完了条件付き)。

[6]台湾証券取引所:LITE-ON TECHNOLOGY CORP.(2301)(銘柄識別)。

株式の取扱い・購入先の確認資料(2026年10月27日確認。事業・財務資料の確認日とは別です):