シャープは、家電やテレビを作るだけでなく、職場の複合機やパソコン、ほかの製品に組み込まれるディスプレイも手がける会社です。家庭で使う人、仕事の道具をそろえる企業、画面を必要とするメーカーでは、同じシャープへの注文でも目的が違います。その違いから見ると、会社の事業と、業績を左右する条件を捉えやすくなります。[1・2]
簡単にまとめると?
- 家庭の家電・テレビ、職場の機器・サービス、製品に組み込む画面を幅広く扱う会社です。
- AIサーバーは2026年9月に受注を始め、2027年度の販売開始を予定しています。電池材料への量子計算の活用は研究段階です。
- 販売台数や売上だけでなく、部材の値段、為替、製品の組み合わせ、工場の再編が利益にどう響くかも大切です。
家庭と職場、機器メーカーにそれぞれ何を届けるのか
シャープ株式会社は1912年創業、1935年設立で、本社は大阪市にあります。現在の事業紹介では、暮らしに関わる「スマートライフ」、仕事に関わる「スマートワークプレイス」、画面を作る「ディスプレイデバイス」の3つに分けて説明しています。[1・2]
スマートライフでは、エアコンや冷蔵庫、調理家電、テレビ、太陽光発電・蓄電池などを扱います。センサーや電子部品もこの領域に含まれます。たとえば家電なら、冷やす、調理する、空気を整えるといった日々の用事に使う機器が商品になります。エネルギー関連では、家庭だけでなく事業向けの設備も対象です。[2・3]
スマートワークプレイスには、印刷・コピー・読み取りをまとめて行うデジタル複合機、業務用ディスプレイ、オフィス関連サービス、パソコン、スマートフォンなどがあります。グループにはDynabookも含まれます。企業や自治体は、機器を購入するだけでなく、社内の情報を扱うシステムや、日々の運用を支えるサービスも必要とします。シャープは、こうした仕事の道具と仕組みを提供しています。[2・3]
ディスプレイデバイスは、車載、モバイル、産業用などの液晶画面を扱う事業です。完成したテレビを消費者へ売る事業と、ほかの会社の製品に使う画面を供給する事業は区別する必要があります。後者では、採用先の製品計画や求められる性能、生産する品種と数量が事業に関わります。[2・4]
売上が増えても、利益が増えるとは限らない
製品を作って届けるには、半導体やメモリ、樹脂などを調達し、製造・物流の費用を払います。販売価格を上げられても、それ以上に部材費が増えれば、利益は圧迫されます。国内外で調達と販売を行うため、為替の変化も事業ごとに影響が異なります。
実際に2026年度第1四半期(2026年4〜6月)では、スマートライフとスマートワークプレイスはともに前年同期より増収となった一方、営業利益は減りました。会社は部材価格の上昇や円安の影響を説明しています。パソコンでは販売価格の上昇に備えた前倒し需要もあったとしており、好調だった四半期の伸びを、そのまま先々へ延ばせるとは限りません。[4]
ディスプレイでは工場の再編も進めています。2026年5月の経営説明資料では、亀山第2工場の生産停止時期を、顧客需要への対応に伴い8月から12月へ後ろ倒しする見通しを示しました。これは会社の計画であり、停止完了を示す情報ではありません。継続する工場の採算改善と、停止する工場の費用を分けて追う必要があります。[5]
AIサーバーと電池材料の研究は、現在地を分けて見る
新たな事業として、シャープは2026年9月15日に、国内向けAIサーバーの受注を始めました。自社の設備でAIを動かしたい企業や自治体、研究機関などが対象で、2027年度の販売開始を予定しています。鴻海グループの調達・製造力に加え、販売代理店や保守会社とも連携し、機器の導入から運用までを支える方針です。受注開始と販売開始の予定は、すでに納入・売上が実現したこととは別です。[6]
会社が示したAIサーバー事業の目標は、2030年度の売上高約2,500億円です。これは将来の目標で、現在の売上ではありません。既存の職場向け機器との顧客接点を、新しい事業にどこまで生かせるかが今後の確認点になります。[7]
研究開発では、QunaSysと次世代電池材料への量子計算の活用に取り組んでいます。2026年10月公開のインタビューでは、小規模な分子モデルでの検討から、計算対象を大きくする課題へ進むことが説明されています。材料の性質を予測するための研究であり、量子計算を使った電池製品がすでに完成・販売されたという話ではありません。[8]
最新決算と、利益が変わった理由
2025年度(2026年3月期)の連結売上高は約1兆8,928億円、営業利益は約485億円でした。2026年度第1四半期の売上高は4,352億400万円で前年同期比7.9%減、営業利益は82億1,000万円で46.3%減でした。年度全体と3か月の数字は期間が異なります。[3・9]
下の図は、前年同期の営業利益から今回の営業利益へ至る増減を、会社が要因別に分けたものです。販売価格の上昇や経費の減少が利益を押し上げても、コスト、販売、為替などの減益要因が上回ったと説明しています。図の「モデルミックス」は、販売する製品の組み合わせを指します。単位は十億円で、決算短信より金額の表示が丸められています。[4・9]

8月7日に修正した2026年度通期予想は、売上高1兆7,700億円、営業利益300億円です。2026年11月5日時点では、中間決算の発表は11月9日を予定しています。新しい決算が出た際には、部材費の上昇を販売価格へ反映できたか、製品別の需要と工場再編がどう進んだかを合わせて確認すると、増減の背景を追いやすくなります。[4・9・10]
シャープ株の購入先を比較する
シャープの普通株式は東京証券取引所プライム市場、証券コード6753です。取引通貨は日本円(JPY)、通常の売買単位は100株です。以下は2026年11月5日に確認した現物株の案内です。[3・11〜13]
- 楽天証券:6753の銘柄ページから、同銘柄の国内株式の買い注文へ進む入口を確認できます。「ゼロコース」の現物取引手数料は0円ですが、SOR・Rクロスの利用同意が必要で、原則として指定のSOR注文を使います。SORは複数の市場等から注文先を選ぶ仕組みです。電話注文などは条件が異なります。[11・14]
- SBI証券:6753の銘柄ページに「現物買」の入口があります。国内株式手数料無料の「ゼロ革命」は、対象のインターネットコースと、対象書面すべての電子交付設定が条件です。電話注文や対象外コースは別の手数料がかかります。[12・15]
- 松井証券:6753の銘柄ページに「現物買」の入口があります。26歳以上の通常のボックスレートは、現物・信用を合わせた1日の約定代金50万円まで0円、50万円超100万円まで1,100円(税込)です。25歳以下やNISA、電話注文などは別の条件があります。[13・16]
購入する場合は、証券口座へログインし、6753・シャープ・現物買を確認したうえで、株数、価格、預り区分などを指定します。通常は株価×100株分以上の資金が必要です。操作は楽天証券の現物取引デモ、SBI証券の銘柄検索・取引案内、松井証券の操作ガイドを参照できます。
公開されている現物株の買付入口を比較した案内です。口座ごとの注文受付、手数料や取扱いの変更は発注前に各社で確認してください。株価の変動により損失が生じることがあります。
株価の推移
シャープ(TSE:6753)の株価は、TradingViewの銘柄ページで確認できます。表示通貨は日本円(JPY)です。東証株の無料データは20分遅延します。[17]
参考資料
- シャープ:会社概要
- シャープ:事業ドメイン
- シャープ:会社概要・事業構成・株式情報(2026年8月7日作成)
- シャープ:2026年度 第1四半期 決算説明資料(2026年8月7日)
- シャープ:経営方針説明会資料(2026年5月12日、スライド18)
- シャープ:国内向けにAIサーバーの受注を開始(2026年9月15日)
- SHARP Blog:国内向け受注開始し、AIサーバー事業に参入(2026年9月16日)
- QunaSys:シャープが挑む、量子計算による次世代電池材料開発(2026年10月16日)
- シャープ:2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年8月7日)
- シャープ:投資家情報・決算発表予定
- 楽天証券:シャープ6753・買付入口
- SBI証券:シャープ6753・現物買入口
- 松井証券:シャープ6753・現物買入口
- 楽天証券:現物取引手数料
- SBI証券:ゼロ革命の対象条件
- 松井証券:手数料
- TradingView:市場データの配信条件
