サーバーは、性能表だけで選べば仕事に使えるわけではありません。ストレージやネットワーク、ソフトウェアと組み合わせ、導入後も動かし続ける必要があります。韓国のTERATECは、機器の供給からシステム構築、OEM、保守までを扱う企業です。
- サーバーやストレージの製品供給に、用途別の構築・OEM・保守を組み合わせています。
- 2025年の開示売上高は約478.6億ウォン、営業利益は約11.1億ウォンで、製品売上が中心です。
- 2025年の監査意見は限定付きで、比較対象の2024年数値は未監査です。数値を見る際には、この条件も欠かせません。
製品・構築・保守をつなぐ企業
同社の会社紹介は、製品、ソリューション、研究開発、サービスの四領域を掲げています。サーバー、ストレージ、ネットワーク機器に加え、大規模計算向けのHPC、クラウド、システム移行などを扱います。[1]
公式サイトは1993年からの事業の歩みを紹介しています。一方、監査報告書の注記にある現在の株式会社の設立日は1996年10月16日です。会社の歩みの起点と法人設立日は同じ日付ではありません。ここで扱うのは、ソウルのサーバー企業TERATECで、代表者は공영삼です。[1][3]
顧客の用途に合わせるOEM
OEMは、顧客の用途やブランドに合わせた製品を供給する事業です。TERATECは、サーバーを基にした専用機器やセキュリティ向け装置などの設計・供給を案内しています。[2] 機器を使う企業だけでなく、自社サービスや製品の一部に計算機を組み込みたい企業も顧客になり得る事業です。
こうした用途では、最大性能だけでなく、必要な形状、部品構成、導入先での動作、継続供給への対応が選定材料になります。製品・構築・保守をまとめて扱えることが強みになる一方、個別対応にどれだけ費用がかかるかも収益を左右します。
2025年は製品売上が全体の約9割
2026年4月6日提出の監査報告書によると、2025年の売上高は478.6億ウォンでした。そのうち製品売上は432.0億ウォンで、全体の約90.3%を占めます。商品売上は29.0億ウォン、役務収入は17.2億ウォンで、ほかに賃貸収入があります。[3] この会計上の区分は、会社紹介の四つの事業領域とそのまま対応するものではありません。
以下は同じ報告書の数値を億ウォンに換算し、小数第1位へ丸めたものです。2024年は比較用に記載された未監査数値、2025年は限定付き監査意見の対象です。
| 指標 | 2024年(未監査) | 2025年(限定付き意見) |
|---|---|---|
| 売上高 | 351.2 | 478.6 |
| 営業利益 | 8.0 | 11.1 |
| 当期純利益 | 6.2 | 4.4 |
| 期末現金・現金同等物 | 24.9 | 101.5 |
開示数値上は増収・営業増益ですが、最終利益は減っています。2025年の営業利益率は約2.3%で、利息費用や為替差損なども計上されています。売上の伸びだけで収益性を判断せず、仕入原価と営業外損益まで見る必要があります。[3]
監査意見と現金増加の中身
監査人は、2025年4月に選任されたため期首在庫の実地棚卸に立ち会えず、代替手続でも2024年末の在庫数量について十分な証拠を得られなかったと説明しています。その結果、2025年の損益と営業キャッシュフローに修正が必要かを判断できないとして、限定付き意見を表明しました。[3] 不正や数値の誤りを認定したという意味ではありませんが、無限定の監査意見とは区別する必要があります。
期末現金は増えていますが、その全額が利益の蓄積ではありません。開示されたキャッシュフローでは、営業活動による流入約49.5億ウォンに加え、財務活動による流入約31.7億ウォンがあります。営業活動の内訳には買掛金の増加も含まれます。また、純資産の増加には不動産の再評価益が大きく寄与しています。[3] 現金・利益・資産評価の変化を分けて読むことが大切です。
成長機会と事業上の条件
計算基盤の更新や用途に応じた機器構成は、同社の製品・OEM・構築支援が生きる領域です。公式沿革にはHPCやクラウド関連の協業も掲載されています。[1] ただし、提携の数は売上や利益を示す指標ではありません。案件獲得に加えて、部品調達、納期、導入後の保守までを採算に合う形で提供できるかが事業を見る軸になります。
監査報告書は、2025年末の主要株主として代表者공영삼の35.0%保有を記載しています。確認した一次資料では上場銘柄を特定できていません。[3]
参考資料
資料確認日:2026年10月24日。比率と億ウォンへの換算は開示数値から計算しています。
